柔道整復師と鍼灸師の資格を取得してます
スタイル新伊丹治療院の西村です。
脱力の技術において、
肩甲骨はとても重要な役割を持っています。
しかし肩甲骨の使い方という点においては、
動けば動くほど良いという程度の考えどまりになりがちです。
肩甲骨が緊張で固まって動かないのは駄目ですが、
肩甲骨は動きさえすれば良いというほど単純なものでもありません。
【肩甲骨を動かしてみましょう】
この時、多くの人は腕を大きく動かしながら肩甲骨を動かしてませんか?
肩甲骨が動いているのですから何に問題もなさそうに感じますが、
肩甲骨を動かすのに腕の動きが伴うということには、
逆に言えば腕を動かさないと肩甲骨も動かせないということになります。
腕を動かさないと肩甲骨を動かせないというのは、
腕が一つのかたまりになっていて肩甲骨が脱力できていないということになります。
そこで必要となるのが、腕と肩甲骨の「分離」なんです。
腕と肩甲骨が分離しているというのは、腕と肩甲骨をそれぞれ別々に動かしたり、
力を入れたり、抜いたり出し入れすることができる状態です。
分離していない状態と分離している状態でどのような違いがあるか実際に試してみましょう。
【腕と肩甲骨を分離させて動かす】
肩甲骨の関節には、
◎鎖骨とつながる肩鎖(けんさ)関節
◎上腕骨とつながる肩関節(肩甲上腕関節)
◎肩甲胸郭関節というものがあります。
中でも特徴的なのは『肩甲胸郭関節』で、
一般的な関節のように関節包や靱帯などで保護されていません。
肩甲骨を動かすときは、肩甲胸郭関節を使います。
とはいえ、最初は肩甲胸郭関節を意識するのも動かすのも難しいと思いますので、
感覚的には背中を動かすぐらいのつもりでやりましょう。
【「肩甲骨をしめる」とは?】
肩甲骨はもともと動きやすい骨であり、裏を返せば、肩甲骨は動きすぎる骨とも言えるのです。
そんな不安定な肩甲骨は腕を動かしたときに「勝手に」動いてしまうのです。
肩甲骨が動きすぎると、緩衝材の役割としては問題なくても、
力の伝達という面においてはロスが生まれます。
肩甲骨を分離して「動かす」ことができたら、今度は「動かさない」トレーニングも必要なのです。
肩甲骨の動きを止めるのに必要なのが「しめる」という感覚です。
体幹全体をコルセットのように均等にしめていく感覚です。
ですから肩甲骨をしめようとして胸が左右に引っ張られて胸を突き出すのはNGです。
肩甲骨をしめた時は胸の方も、
広がるのではなく縮まるようにしまっていく感覚が必要です。
そして腕と肩甲骨は分離させているので、腕の力で肩甲骨をしめてはいけません。
【「肩甲骨をしめる」感覚を掴む】
肩甲骨をしめる感覚をわかりやすく感じるには、帯などで体幹を縛ってみましょう。
縛られた状態で腕を動かしてみると腕が軽く感じます。
体幹から外れるように動くので、腕の重さが外に飛び出て腕が重く感じるのです。
しかし肩甲骨がしまっていると、腕の重さは体幹につながったままなので腕を動かしても軽く感じるのです。
野球:肘をしめたらバットを振れない
→肘で体幹を固めたら腕は動かせない
武道:たすきがけ
→身体をしめるには効率的なたすきがけ
「脇をしめる」というのも多くの人が誤解しやすい。
武道やスポーツにおいて脇をしめるという表現はよく出てきますが、
脇をしめる時に肘を使ってしめようとする人が多いですが、
これは脇をしめているのではなく腕で体幹を固めているだけです。
「脇をしめて!」と言われて肘を身体にくっつけたらどうなるでしょうか。
その状態でバットやクラブを大きく振ることはできません。
先程の帯で身体を縛った時のように脇がしっかりとしまった時というのは、
腕はむしろ体幹から解放され自由に動かせるようになるのです。
手足の左右差を揃えることとまっすぐ立てる状態目指しませんか。
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