◆ ただの便秘? されど便秘

「出したいのに、出ない」
「お腹が張って気分も下がる」
便秘って、単なる“腸の問題”のように扱われがちですが、
心や思考のクセが深く関係していること、案外知られていません。

医学的には「3日以上排便がない」「排便がスムーズでない状態」が便秘と定義されます。
でも、本当の問題は“日数”よりも「流れの滞り」なのです。

◆ 中医学で見る便秘:「気滞便秘」と「心肝の詰まり」

中医学では、便秘は複数のタイプに分けて捉えます。

その中でも注目したいのが、気滞便秘。
これは「気」が滞っていて、腸の働きにも影響が出ている状態。
とくに、怒り・ストレス・我慢・思い詰めなどの感情が関与します。

また、心(しん)や肝(かん)のバランスが崩れると、
「気の巡り」も腸の動きも停滞しやすくなる。
つまり、「心の詰まり=腸の詰まり」になりやすいわけです。

◆ 西洋医学の視点:「自律神経」と「脳腸相関」

腸の動きは、自律神経によってコントロールされています。
とくに副交感神経が優位なとき、腸はリズムよく動き、自然な排便が促されます。

でも、緊張・不安・怒りなどのストレスがあると、
交感神経が優位になり、腸の蠕動(ぜんどう)運動が鈍る。

さらに近年注目されている「脳腸相関」では、
脳と腸はお互いに影響しあう「双方向システム」であることが分かっています。
つまり、「考えが詰まる」と「腸も詰まる」のです。

◆心理学の視点:未消化の感情が溜まる場所

NLP心理学でも、「感情の抑圧は身体症状になる」とされ、
とくに“言いたいことを飲み込んできた人”は、
排泄や消化に関わる症状を持ちやすい傾向があります。

◆ 哲学の問い:「手放せないもの」が、からだに溜まる

便秘って、「手放せていない状態」なんです。
いらないものを外に出せない——それは
「こうあるべき」にしがみついている心の姿勢とも言えます。

ソクラテスは「無知の知」を説きましたが、
現代人は「もう分かってる」「我慢すればいい」と、知っているつもりで溜め込む傾向がある。
本当は、“出す”勇気が必要なだけかもしれません。

◆ 専門家として伝えたいこと:「便秘=悪」ではなく、「サイン」として聴く

専門家が便秘を「出せるようにしましょう」とだけ言うと、
クライアントさんは「私は出せないからダメなんだ」と思ってしまうことも。

でも、「便秘は、心身の詰まりを教えてくれるサインですよ」と伝えるだけで、
クライアントさんの見方はガラッと変わります。
表情が変わります

当院では、まっすぐ立てる状態にすること
手足の左右差を揃えること
それだけで便通が良くなるかもしれません。

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