僕は昔から腰痛があり、中学一年生頃から整骨院やカイロプラクティックなどに
通っていました。
陸上競技者として高校と大学に進学するために、一生懸命走っていました。
その中で、平均して月4回はメンテナンスと思って通院していました。
治療して頂くと、その場では治ったという効果を感じました。
だけどあっという間にマイナスになる感じがしました… 。
こうやって治療後はすぐに戻るものだと感じていました。
高校二年生の冬には、腰椎椎間板ヘルニア、右坐骨神経痛で走れなくなり、
競技を諦めてしまいました。
今思うと、穴の開いたバケツに水を入れている感じでした。
治療家としてもエゴ満たしのマッサージをやり続けていました。
30歳の時に参加した講習会で、腰を触らない治療で「まっすぐ立つ」ことができました。
今までは左足にいつも重心が乗り、いつも腕を組んでバランスをとって立っていましたが、
右足の裏がしっかりと地面を踏んでいる感覚を初めて知りました。
その時の整体の先生の理念がに惹かれてで、今でも毎月学びに行っています。
(16年目になります)
「人間に本来備わっている、自己調整機能」のような能力のスイッチを
入れることで 、身体自らの作用によって体の歪みを調整していくという手法を
取っていました。
痛いところや揉むと気持ちいい場所に直接手を入れて揉み解すということをしないで
良いことに感動しました。
1回の施術時間がとても短いのも特徴的でした。
1回あたりせいぜい15分〜20分以内で終わってしまうのです。
その先生の理念として、
「1回の施術でじわじわと3日後に効く」というものがありました。
そうすることで体に本来備わっている機能を呼び覚まし、
「自分自身の力で治す」という意識をもってもらうという意図を持っていました。
僕は、最初は何を言っているのか意味がわかりませんでした。
しかしその整体のおかげで、僕は諦めていた腰痛と右足のしびれから解放され、
体の凝りや張りのベースラインはいつのまにか下がっていました。
穴の開いたバケツを修正すると水がたまることを実感し、調子が悪い時はその水を
補ってあげるイメージです。
前回のらいふスタイルで、僕は瞑想をしているとお伝えしました。
みなさんも、肩や背中が凝ってきたり、体が痛くなってきたり、
同じ姿勢をとっているのがとても苦痛である時がありませんか?
僕はその苦痛をなんとかしようとするのではなく、
瞑想を通じて苦痛をなんとかしたがるエゴの声の方をじっと観察し続けるということに
トライしています。
「エゴ的なもの」というのは、「一時的なもの」と言い換えてもいいと思います。
整体はその場で100%治してくれるわけではありません。
だから、施術が終わった時点で完全にすっきりしているということはなく、
凝りが残っていることもよくありました。
「今、この瞬間に、完全にすっきりしたい」
というエゴの声を満たすマッサージも世の中にはたくさんあると思います。
そういうものは気持ちいいし、
「すっきりした」という感覚になるので変化がわかりやすいのだと思います。
だから多くの人が求めるのでしょう。
でも、そういうマッサージに限ってもみ返しがきたりマッサージ疲れのようなものを
感じたりします。
即効性のあるものは戻るのも早くて、長期的に見るとむしろ状況は悪化していたり
するように思います。
「本当に良いもの」とは、
「さっきより良くなった」とか「見違えるようにすっきりした」とかそういう派手さは
無いと感じています。
施術の直後は軽くなり、
気づくと朝起きるのが楽になっていたり、いつのまにか症状が消えていたりとか。
「忘れた頃に」「ふと振り返ってみると」変化していたことに気が付く。
そんなペースでゆっくりと変化を起こすのだと思います。
瞑想も同じで、瞑想中に姿勢を正そうとするよりも、
「今姿勢を正して楽になりたいという」エゴそのもの
あるいは、体で感じている苦痛そのものをただ観察し続けるという方が大事なのかなと
思います。
それを続けることで、「いつのまにか変化していた」というものなのだと思います。
大事なことは、目先の効果やわかりやすい変化に飛び付かず、
長期的に見てベースラインを確実に上げてくれるようなものに
時間とエネルギーをコツコツ投じ続けることなんだと思います。
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